職員室の声

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鹿児島第一中学校・高等学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

令和元年度2学期始業式(原口)

2019-08-26


 先週までの後期夏期補習や,サマースクール,おつかれさまでした。今日も皆さんの活躍をたくさん表彰伝達できたことをうれしく思います。さて,いよいよ今日から,2学期が始まります。夏季休業中の生活は,どうだったでしょうか。今年も,暑い日が続きましたが,令和元年の夏休みを納得いく過ごし方が,できたでしょうか。補習や部活動,文化祭準備などもあり,実質自由になった時間は少なかったかもしれません。

 

 これまで特に連絡はありませんでしたので,まずは,大きな問題もなく,皆さんとともに元気に始業式を迎えられたことに,感謝をしたいと思います。また夏季休業中に,部活動や各種の大会,コンクールなどに参加した人,さらに,オーストラリア短期語学研修や大学のオープンキャンパス,高校総体のボランティア参加,また霧島市や姶良市,曽於市の派遣事業,霧島市青少年議会など,参加した人もいましたが,貴重な経験をしたことと思います。この夏の経験をこれからの生活に,ぜひ生かしてほしいと思います。 

 

 夏季補習やサマースクールを振り返りますと,皆さんのほとんどが,暑い中,文武両道で,学業や部活動,文化祭準備に,高校3年生は進路実現に向けて,一生懸命取り組んでいました。図書館で勉強している人もたくさん見ました。夏に流した汗は,2学期,3学期を充実させるための大きな力となります。そして夏に鍛えた力は,学校生活を前向きに過ごす上での大きな自信に繋がります。

 

 またこの夏,計画的に取り組めた人は,いいですが,体調を崩すなど,うまく取り組めなかった人もいるかもしれません。そういった人も,あせらず,気持ちを切り替え,少しずつ自分のペースを取り戻し,修正し,これからの2学期を,また新たな気持ちで取り組んでほしいと思います。とにかく一歩でも前進しましょう。

 

 さて,2学期に臨むにあたって,私から2点お願いしておきます。一つは,2学期は,長く,文化祭や,研修旅行,修学旅行など,たくさんの学校行事があります。一つ一つの行事を大事に,皆で力を合わせ,全力で積極的に取り組んでほしいと思います。これまでも,学業とともに,文化祭の準備など続けてきたことと思いますが,これからも健康に留意し,力を合わせ,メリハリのある生活,静と動の切り替えをしっかりして取り組んでほしいと思います。今年の文化祭のスローガンは中学・高校共通で,「和~文化を楽しめ新時代~」です。
「令和の時代に,力を合わせ新しい文化を創造し,個性を磨き,楽しもう」という意味だと思いますが,スローガンに対するイメージをしっかり共有し,具現化する文化祭を創り上げてほしいと思います。一人一人が主体性と行動力を発揮し,心を一つに,協力しあい一丸となって取り組んでほしいと思います。
文化祭を成功させるには,「何らかの形で全員が参加し,助け合って築こう」「創意工夫したものにしましょう」「明るく,健康的で,規律のとれたものにしましょう」の3つの要素が大切だと思います。いい思い出に残る文化祭にしてほしいと思います。

 

 また,それから,もう一つ,2点目は,地に足を付けて着実に学力を養うべき学期でもあります。これからは,数学の問題でも,文章問題を読み解き,数理的な出来事を取り出し,説明する力が求められています。
全国学力テストでは,新聞を読むほど正答率が高いという結果も出ているようですが,文章が苦手な人にとっては,ハードルが高いかも知れません。新聞を読むことで,多様なジャンルの記事を自己の選択にかかわらず目にすることができるというメリットもあります。一面のトップニュース,政治,経済,国際情勢,市民の意見,教育,医療・福祉,スポーツ,地域,文化,社会等,自己の好むと好まざるとに関わらず,読む機会を得ることができ,読解力とともに広く情報と教養を身に付けることができるからです。現在多くの人が,インターネット空間で,自己の選択した「好みの情報」にしか触れることがない生活をしてはいないでしょうか。それでは,情報・知識・教養の幅が広がらず,深みのある視野の広い考えをもつことはできないように思います。「ネット依存」など,スマホとの付き合いは,今大きな社会問題となっています。

 

 学力を付けることと体力を付けることは似た面を持ちます。それは,一度にたくさん練習しても身には付かないということです。逆に言えば,効果的に力を付けるには,地道に毎日,定めた分量をこつこつ行うということです。自分の将来に思いを巡らし,自分のよさを生かすことを考え,目標と計画を立て,日々の授業を大切に,一日一日努力を積み重ねてほしいと思います。江戸時代初期の有名な儒学者に林羅山という人がいましたが,彼の弟子の一人が,「私は物覚えが悪く,笊(ざる)で水をすくうようにすぐ忘れてしまいます。どうしたらよいでしょうか」と悩みを相談したそうですが,そのとき,林羅山は「笊(ざる)をいつも水の中につけていれば,こぼれることはない」と答えたそうです。この話は,覚えることが苦手であると思い込んでいる人は,いつでも水につけておく覚悟,つまり繰り返し覚える覚悟で,毎日取り組みなさいと,教えています。「時間をつくる」のは「忙しさ」の問題ではなく,「心がけ」の問題です。中国・北宋時代の欧陽脩(おうよう・しゅう)という人は,文章を練るのに適している場所を「三上」(さんじょう)と言っています。「馬上」(ばじょう),「枕上」(ちんじょう),「厠上」(しじょう)の三つです。「馬上」(ばじょう)は,馬に乗っている時,現代では電車やバスに乗っている時です。「枕上」(ちんじょう)は,寝床にいる時,「厠上」(しじょう)は,トイレにいる時です。24時間の生活時間を有効に使う工夫を凝らして充実した毎日を過ごす生活の知恵をつけるべきではないでしょうか。

 

 私たちに与えられた時間は,平等です。したがって,その中で,自分の夢や希望を達成するためには,思い悩む前に,日々の努力の積み重ねが大切です。先人は,「志ある者は,事竟(つい)に成る」という言葉を残しています。志(夢や目標)を持ち続ければ,きっと成功するということです。それは,志がある人ほど着実な成長があるからです。

 

 2学期も中学・高校各学年に応じた取り組みをしてほしい。特に,高校3年生は,自己の進路実現に邁進してほしいと思います。進路志望はそれぞれですが受験は,団体戦です。みんなの進路実現を先生方も全力で支援します。互いに励まし,切磋琢磨して,志望実現を達成してください。

 

 また,台風のシーズンにも入ります。自然災害についても,情報をよく把握し,危機管理には,十分注意したいと思います。登下校時の安全 確認や自己管理をしっかり行ってください。それでは,1年の中で最も忙しい,でも充実感のある2学期が始まります。ぼんやり過ごしていてはもったいない時期です。文化祭や受験,その他,様々なことに,意志をもって真正面から向き合いましょう。

 

 みなさん一人一人の頑張りによって,実りの多い2学期になることを期待しまして,式辞とします。
                                              

                                                 (副校長 原口 和哉)