大学3年の夏,薩摩半島の南に位置する坊津の海岸で水泳合宿を行った。4月から7月まで行われる前期日程の水泳の授業の集大成の行事である。4泊5日の日程で朝9時から昼12時,昼食と昼寝の時間をとって,14時から17時までと1日6時間海で泳ぎ尽くす授業。日々部活で鍛えている体育科の学生も1日1日体力を使い切るぐらいハードなスケジュールでした。その中でも,一番ハードな種目は6kmの大遠泳!!
体育科30名全員の目標は…
「1人も欠けることなく全員で6km泳ぎきること」でした。
初日いきなりボートで沖に連れて行かれて,私たちの講師である先生(通称仙人)と呼ばれる方にここから海に飛び込んであそこまで泳ぎなさいと言われ,足も全然つかない深さのところを200Mぐらい泳いだのが合宿のスタートでした。距離というよりも足がつかないという恐怖を味わったのを覚えています。それからの3日間は小遠泳(1時間から2時間足をつかずに泳ぐ)や古式泳法,海上での休憩の仕方(浮き身,立ち泳ぎ),など様々な泳ぎを練習し,4日目の大遠泳を迎えました。3列縦隊で基本顔をつけない平泳ぎで一度も足をつくことなく,湾を1周6km泳ぐこの大遠泳!!大体時速2kmのスピードで3時間列をくずさず泳ぎ続けます。2時間ぐらい泳いだところで休憩をとりました。休憩といっても陸に上がるわけではなく,縦列の近くについてきてくれている救助用のボートの上から,こおり砂糖を投げてもらってそれを立ち泳ぎしながらキャッチして食べるというそれ休憩ですか?という休憩でした。そしてラストスパート!!湾から少し沖にでると潮の流れが変わったらしく,仙人から号令が入る。
「全員クロール!潮の流れが強いから平泳ぎでは進まないぞ!」
しかし,たった100mなのに全然前に進まない。仙人から「スピードアップ」の号令がかかる。私たち30人は力を振り絞りなんとか湾内に到着。残り1km。
「頑張れ!泳がないと海に沈むだけだぞ!」
と仙人からの最後の激励が届く。ここまできたからには…!!
みんなで励まし合いながら,最終的に1人も欠けることなく6km泳ぎきりました。
目標をクリアした達成感とどんだけ焼けたかというぐらい真っ黒に焼けた30人の姿を今でも思い出します。
今年の夏も人生で1度きり!この夏あなたは何を頑張りますか?
力の限りベストを尽くし何かを一生懸命頑張った!!
という何年たっても記憶に残る夏にしていけるとよいですね。
(文責:坂口)